風 景

青 森


 石崎無線中継所


   訪問日


 2013年 8月


詳 細


 青森県 外ヶ浜町にある無線中継所跡です。
 無線通信が光ファイバー通信に置き換わってしまい
 現在は使用されていない為、廃墟?な扱いになっています。

 特徴はなんと言ってもそのコンクリート筐体と大きさです。
 別名“津軽の塔”とも言われています。
 高さは89mあり、日本にある塔の中では81位(宇都宮タワーと同位)の高さになります。

 ごく最近まで使用されていたので、塔周辺は比較的綺麗です。
 国道から見ると、ただの巨大なコンクリートの塔なので何の施設か分かりません。
 アンテナなどは撤去されています。


 この中継所の歴史は古く、塔の付け根部分に記念碑があるのですが、

            超短波多重通信回線開通の地
   この地は、昭和12年、無線方式が市外電話回線に使えるも
   のとは世界のどの国も考えていなかった頃に、北海道当別と
   の間で電話3回線の多重通信方式の実験に成功し、引続き昭和
   15年には超短波による6回線方式を世界にさきがけて実用化
   したゆかりの地です。その技術は、1波で3600回線もの電話
   を同時に送ることができる今日のマイクロ波通信技術の基礎と
   なっております。
            昭和53年9月 新無線塔の完成を記念して
                        日本電信電話公社

 とあります。“電電公社”という響きがすごく懐かしい感じがしますね。
 こんな所で世界初に出会えるとは思っていませんでしたし、誰も考えていなかった事で
 世界に先駆けて実用化した当時の技術者にとても感銘を受けました。
 日本初のマイクロ無線通信も東北で始まったそうですよ。

 電話回線の為にこんな施設まで作らないといけないとは、携帯電話が普及した今日では想像もつかない事ですが、
 こういった技術の積み重ねが現在の高速通信網を支えているという事を実感できました。


行き方


 青森市内から国道280号線を北上し、津軽半島の北東端に着く少し手前にあります。
 明るければ目に入ってくるのですぐに分かるかと思います。
 入り口は草に覆われて分かりにくいですが、塔の横辺りの国道の追い抜き車線のある所に小道があります。






国道から。
林から飛び出しています。




筐体は真っ直ぐではなく少しカーブを描いています。
右が北海道方面です。




正面から。
塔というよりコンクリートの板といった感じです。








懐かしい“電電マーク”。




記念碑。




上部のアンテナ部まで途中には何もありません。




真下に来るとその大きさに圧倒されます。




風の影響を考慮してか、カーブを描いています。
洗濯板の様です。




機器室も残っています。




アンテナが取り付けてあったと思われる鉄骨。










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